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2007年5月27日 (日)

陽川古城址 (양천고성지)

  陽川古城址は、金浦空港から遠くない、江西区の漢江南岸にある弓山 (74.3m) の上にある。 小さな山であるが、周辺が平坦なため、遠くからでもこんもりと盛り上がったこの山が見えた。平らな山頂をぐるりと囲んだ、鉢巻型と呼ばれる形式の山城である。北側は漢江を見下ろす絶壁で天然の要害になっている。城壁は殆ど残っておらず、残骸かと思われる石が多少転がっているくらい。百済や、その後の統一新羅時代の土器片が見つかっているそうで、古くは百済が対高句麗戦の為に築いたらしい。その後も続けて使われ、文禄慶長の役では義兵の集結地として記録があり、新しいところでは朝鮮戦争で韓国軍が駐屯した。一方でこの見晴らしの良さは戦略的価値が高いだけでなく、絶景としても有名で、昔から有名な文人が詩を読んだり絵を描いたりしたとのこと。
さて、今は近隣住民の憩いの場で、公園として整備されている。この日も幼稚園児たちが遠足に来ていた。のどかで結構。ここにまた軍人が集結することが無いように祈るばかりだ。
残念ながら雨が降る前の曇り空で遠くまで見渡せなかったが、晴天ならばかなりの眺望の筈。

踏査日;2006年11月6日

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▲陽川郷校。李朝時代に各地に作られた儒教教育機関。山城の南側麓に位置する。

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▲陽川郷校を横に通り過ぎると、史跡372号、陽川古城址へ向かう道となる。

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▲ゆるい傾斜の山道を10分も進めば頂上だ。

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▲頂上は広い平坦地となっている。もともとの地形か整地したものか分からない。

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▲城跡の外周に沿って散策路や見晴台が設けられている。この右側は漢江に向かって断崖になっており、天然の要害をなしている。

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▲頂上から見晴らした漢江。恐らく対岸に見える山がそうだと思うが、これも三国時代からあると言われている幸州山城がある。左下に見える道路がオリンピック道路で、漢江の南岸に沿って通っている。仁川空港から車でソウル市内に向かう時に、必ず通る道路である。気をつけて車窓から見れば、この山城がある弓山が見える。

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▲城址を東側から見上げる。

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▲李朝時代の望楼が再現されている。

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▲望楼から見た漢江。

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▲東南から城跡を見上げるが、城壁の跡を見出すのは難しい。

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▲▼南側斜面に石が散乱している。城壁の名残か。

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▲南側の上り口から見下ろす。

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▲城隍廟だ。ピカピカの新品だが、横の説明版によれば李朝初期(1530年)の記録にこの山に廟があったことが記されているとのこと。城隍廟は中国の道教から来ており、城(=町や村)の守り神のようなものであるが、朝鮮に入って、土着の山神信仰と結びついたようで、平地ではなくこのように山中に廟を構えていることが多い。山城めぐりをしているとよく目にする。

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