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2008年3月 1日 (土)

坡州龍尾里石仏立像(파주용미리석불입상)~イザベラ・バードが見た石仏

坡州市で統一展望台や月籠山城を訪ねた帰りにこの仏像を見に行った。ソウル・坡州間のバス・ルート上にあって、途中下車したバス停のすぐ近くだった。

これはなかなか見応えがあった。高麗時代の石仏だが、土俗的な顔立ちの中にもかなり洗練された印象を受ける。高さ17.4mで、近くで見るとかなりの迫力。韓国で、他にこれに類した石仏を見たことが無い。

19世紀末の興味深く貴重な朝鮮紀行文である、イザベラ・バードの「朝鮮紀行」に、この石仏が詳しく描写されている。1895年、ソウルから開城へ向かう道中の記事の中に挿絵付で紹介されている。朝鮮各地を旅行しながら、あまり史跡や遺跡にお目にかかれなかった彼女に、とても印象深かったようである。森から頭二つを突き出すこの仏像の挿絵を見て、実物を探して見てみたところ、このようにちゃんと残っていた。しかし顔面をよくみると、疱瘡の痕のように黒い点がいくつも。朝鮮戦争の時の弾痕かもしれない。

坡州から臨津江を越えれば、開城はもう目の前である。もちろん、バードは開城、そして平壌まで北上しているが、同じように旅行ができないのが100年後の現在かと思えば、実に残念なことである。バードはこの平壌へ向かう旅の途中でいくつかの山城跡も見ているが、うらやましい限りだ。

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2007年3月1日踏査

朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫) 朝鮮紀行―英国婦人の見た李朝末期 (講談社学術文庫)

著者:イザベラ・L. バード
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▲ヨンアム寺という寺が、石仏の下にある。入り口の表示。

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▲この寺の左奥の高台に石仏がある。

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▲木々の間から石仏が見える。

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▲解説版。

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▲後ろから見るには、斜面を登らないとならない。

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